アムネスティの3月の推計によれば、戦争中あるいは占領下で、軍事介入によって直接的に殺されたイラク市民の数は1万人以上。
APが死体安置所に持ち込まれた死体数をもとに、占領が始まってから最初の1年間に、どれだけのイラク人が殺されたのかを調査した。
APの記事
Morgue Records Show 5,500 Iraqis Killed
May 24, 3:53 AM (ET)
By DANIEL COONEY and OMAR SINAN http://apnews.myway.com//article/20040524/D82OQJSO0.html
の概要イラクが占領下に置かれて最初の12ヶ月で、バグダッド、及びカバラ・キルクーク・ティクリットの3つの郡だけで、5,500人以上のイラク人が何らかの暴力が原因で死亡。死体安置所の数字をもとにAPが調査した。
犯罪あるいは政治的な暴力が、戦争前よりも劇的に増えている。
ファルージャやナジャフのようなところでの信頼できる数字はない。
また、イラク全体で何人のイラク人が死亡したのかの正確な数字はなく、また攻撃(暴力)の分類による数字もない。
米軍も、占領当局もイラク政府も、市民の死亡数を調べる余裕は無いとしている。
(この記事では、「だからといって、イラクがフセインの頃より危険な場所になったという意味ではない」と一度書いているが; 訳者注)
バグダッドだけで占領下の最初の12ヶ月間に4,279人死亡。
しかも、この数字は、爆弾テロによる死亡数は含んでいない。その理由は、そうした死体は死亡の原因が明らかなので、死体安置所に持ち込まれずに直接家族の下に運ばれるからである。(この記事の数字はすべて、死体安置所に持ち込まれた死体の数のみである)
この4,279人という数字の、どれだけが民兵によるもので、どれだけが占領軍によるもので、どれだけが犯罪など他の理由によるものかの記録はなく、ただ射殺や爆死という死因しかわからない。
米軍は、いわゆる "非戦闘" 的な米軍の軍事力行使によって負傷、死亡、あるいは物的損害を受けたイラク人から、いくつもの補償を求められている。約300万ドルが約5,000ケースに対して支払われ、役8,000件が却下され、3,000件が保留されている、と先月アメリカ当局が明らかにした。
占領下の最初の12ヶ月間で、バグダッドでは、平均すると毎月357人が殺された。
2002年の数字では、1ヶ月平均14人である。
月平均357人という数字は、10万人あたり年平均で76人殺されたことになる。
比較するために他の数字をあげると、コロンビア・ボゴタで2002年、10万人当たり39人殺され、去年のニューヨークが10万人当たり7.5人。
イラクの隣国ヨルダンは、バグダッドよりも少しだけ小さいくらいの人口だが、2003年で10万人当たり2.4人である、
カバラは人口150万人の郡だが、その12ヶ月間に663人、月平均55人殺された。
2002年には月平均1人だった。
ティクリットは人口65万人、その12ヶ月間に205人、月平均17人が殺された。ここはサダムのふるさとである。2002年には暴力的な理由による死亡はゼロである。
キルクークは人口150万人、その12ヶ月間に401人、月平均34人が殺された。2002年には月平均3人だった。
ファルージャでは、市立病院の責任者Rafie al-Issawiによれば、米海兵隊の攻撃が始まって1ヶ月で731人が殺された。イラクの厚生相Khudayer Abbasは、このIssawiの数字は誇張され過ぎていると言っている。
3月にアムネスティは、戦争中あるいは占領下で、軍事介入によって直接的に殺されたイラク市民の数が1万人以上に上ると推計した。
(以下記事には、占領軍側の死亡者数および死因別の数があるが、それについてはこれまでにもよく報道されているので省略)