他の記事(*1,2,3)でも指摘されているように、排外主義・差別がこうした他国民への残虐な行為へと繋がっています。
現在の日本の、政府自ら世論を煽る在住外国人への排斥ムード、北朝鮮バッシングなどを見ていると、日本はまた同じ過ちを犯してしまうのではないかと不安になります。
日本人が昔なにをしたのか、フィリピンの被害者の声です:
◇ロラ・ナルシサ・クラベリア(74歳)日本軍性暴力被害者の声に直接耳を傾けてください!!
1943年、大勢の日本兵がばらばらに村に来た。誰もいないのに怒った日本兵は、村長の父と母を殺し、兄弟を2人殺した。母はレイプされたあと、父は、喉から下まで皮膚を剥がされ、弟は放りあげられ、銃剣で突き刺されて。姉は正気をなくし(戦後もずっと)駐屯地に、私は駐屯地の前の家に連れて行かれた。村を振り返ると燃えていた。日本兵はたばこや茹でたてのじゃがいもを体にすりつけたり、ムチで打つので怪我が多く、傷跡が残っている。
わたしもすこしずつ意識が戻ったが、完全に癒されることはありません。戦争はすごくつらくて大変なことでした。いつも戦争が起こらないよう祈っています。
◇ロラ・ピラール・フリアス(77歳)
16歳の時、ゲリラ討伐に来た日本兵に、顔を2箇所刺され、水に顔を押し付けられ、後ろ手に縛られ、おばと一緒に、3名の日本兵に強姦される。数週間後日本兵は、村人全員に村からの退去を命じ、村の家は学校を除き全て焼かれた。1994年(18歳)、村に戻って、学校で暮らした。今度は2〜300名の日本兵が来て、他のフィリピン女性3名と腰ひもで繋がれ、駐屯地まで、山中で10名の日本兵に強姦され、ゲリラキャンプ跡の小屋に入れられた。4人は腰ひもで繋がれたまま、昼間は洗濯を、夜は一晩7〜8名の日本兵に強姦された。
2ヶ月間、日本兵が逃げるまでこの状態がつづいた。「見よ、東海の?」など、今でも全部歌える。
来年には戦後60年を迎えようとする今日にいたってなお、日本軍性暴力被害者問題は解決されていません。昨年12月、最高裁で上告を棄却され敗訴が確定したフィリピン人被害者らは、「せめて事実認定をして欲しかった」と怒りを露わにしました。そして、「司法の途がダメならあらゆる方法で正義を実現するまで闘う。再度、日本に行って日本政府に抗議し、心ある日本人に訴えたい」と、6月の来日を決めました。また、6月には注目の証人尋問が行われる中国人「慰安婦」裁判の原告ら証人3名が来日します。この機に、中国とフィリピンの被害者の声に今一度耳を傾け、被害者らの命あるちにこの問題を解決して、次世代に負の遺産を残すことがないよう、国会議員や市民のみなさんに訴えたいと思います。
フィリピンでは4月15日、ロラ・レメディオス・フェリアスが亡くなりました。
時間は本当に限られています。被害者らの切実な思いに、まずは直接耳を傾けてください。そして日本が果たすべき責任の実現に向けて知恵を出し合う、そんな場にしたいと思います。
* * * * *
昨年12月、クリスマスの日。最高裁は、彼女たちに上告破棄の決定をだしました。11年を越える永い年月の闘いの結果でした。日本の司法に、彼女たちは「せめて、事実認定をしてほしかった」と涙を流しました。彼女たちは、自らの戦時性暴力被害回復の闘いが、次の世代の戦時性暴力をなくすことにつながると、必死に頑張っています。そして、「私たちは生き証人、命ある限り日本政府の責任を追求する」と来日します。
来日するロラの思いを受け止めようと、全国各地で集会が開かれます。ロラたちの必死の訴えは日本の市民の心を捉えて離しません。日本政府は過去の戦争被害に対して、その悲しみと怒りの深さに、今こそきちっとした対応をとるべきです。被害者の被害回復こそが、日本人一人ひとりの名誉回復です。
【集会案内】
お話 ロラ・ナルシサ・クラベリアさん、ロラ・ピラール・フリアスさん、
現地支援団体リラ・ピリピーナ リチェルダ・エクストレマデュラ
(東京集会にはフィリピン弁護団の参加があります)
●東 京
@ 院内集会 「今こそ!補償立法をもとめて」
ーフィリピン・中国の戦時性暴力被害者は訴えるー
日 時 2004年6月3日 午後12時〜2時30分
場 所 参議院議員会館第一会議室(永田町下車すぐ)
連絡先 下関判決を生かす会 (03?3971?8959)
A6/5 「ロラたちを迎えて」−最高裁棄却抗議とこれから−
日 時 2004年6月5日 午後1時〜5時
(スケッチ・キルト・写真展、同時開催)
場 所 三鷹市民協働センター
(三鷹駅からバスBGで八幡前下車3分)
共 催 フィリピン元「慰安婦」支援ネット・三多摩 0422-34-5498
フィリピン人元「従軍慰安婦」を支援する会 03-3971-8959
●福 岡 「戦時性暴力をなくすために」
ーロラたちのお話を聞く集いー
日 時 2004年6月14日 午後6時30分?8時30分
場 所 ふくふくプラザ5F (TEL 092-731-8100)
地下鉄「唐人町」駅徒歩6分
/西鉄バス「九州女子高前」下車すぐ
参加費 800円 学生500円
主 催 早よつくろう!「慰安婦」問題解決法ネット・ふくおか
(092ー713ー1879)
共 催 戦後責任を問う・関釜裁判を支援する会
「従軍慰安婦」問題と取り組む九州キリスト者の会
「戦争と女性への暴力」ネットワーク・ふくおか
* ロラ=タガログ語でおばあさんの意。敬意を込めて呼ぶ。
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以上、情報けいじばん#1068 フィリピンの性暴力被害者の話しを聴く集い より
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○映画 『Mardiyem〜彼女の人生に起きたこと』
インドネシアの元『慰安婦』を追ったドキュメンタリー映画です