日本国憲法に違反して行っている自衛隊派兵が、イラクの人々
への支援活動のために働く人たちを危険な状況に追いやるという
矛盾を生み出すことが、いよいよはっきりしてきました。
この数日間、NGO関係者を含む全国の多くの市民が、拘束されてい
る3名の解放と自衛隊の撤退を求める行動を行いました。拘束して
いるグループに対して、市民が様々なネットワークを通じ、3人
がイラクのために活動していること、多くの日本の市民がイラク
からの自衛隊撤退を望んでいることを伝え、そして家族の声やイ
スラム教の指導者からの説得もあり、3人の解放への道筋がつけ
られたと考えられます。
それに対して、日本政府は、3人の生命を軽視し、「自衛隊の撤
退を拒否する」と事件発生当初から明言し続け、あくまでも自衛
隊派兵の体面に固執しました。また、解放するとの声明が出され
て以降、マスコミにも政府の対応を正当化する論調が多く見られ
ます。このような姿勢は、日本の市民が世界に発信したメッセー
ジをうち消し、かえって3人を危険な状態に追い込むことになりま
す。・・・
(以下全文転載)
内閣総理大臣 小泉純一郎様
緊急声明
日本政府はただちに自衛隊をイラクから撤退するよう求めます
4月8日、イラクで支援活動をしている若者やフリージャーナリストら3人の日本人が、武装グループに身柄を拘束されるという事件が起きました。
3人は、イラクのこどもたちへの医薬品支援、劣化ウラン弾廃絶キャンペーン、イラク人の立場に立った報道など、イラクの人々のために地道な支援活動を行ってきた人たちです。今回の事件により、米軍とその連合軍によるイラク占領、日本国憲法に違反して行っている自衛隊派兵が、イラクの人々への支援活動のために働く人たちを危険な状況に追いやるという矛盾を生み出すことが、いよいよはっきりしてきました。
この数日間、NGO関係者を含む全国の多くの市民が、拘束されている3名の解放と自衛隊の撤退を求める行動を行いました。拘束しているグループに対して、市民が様々なネットワークを通じ、3人がイラクのために活動していること、多くの日本の市民がイラクからの自衛隊撤退を望んでいることを伝え、そして家族の声やイスラム教の指導者からの説得もあり、3人の解放への道筋がつけられたと考えられます。
それに対して、日本政府は、3人の生命を軽視し、「自衛隊の撤退を拒否する」と事件発生当初から明言し続け、あくまでも自衛隊派兵の体面に固執しました。また、解放するとの声明が出されて以降、マスコミにも政府の対応を正当化する論調が多く見られます。このような姿勢は、日本の市民が世界に発信したメッセージをうち消し、かえって3人を危険な状態に追い込むことになります。
昨年3月に開始したイラクへの軍事侵攻によって殺されたイラク人は、1万人とも2万人とも言われています。今回の事件が起きたファルージャでも、米軍による最近の攻撃により、少なくとも450人以上が殺され、その倍以上の負傷者が出ています。中央病院は米軍によって封鎖され、負傷者の治療も困難で、さらに、脱出を試みた市民が砂漠の中で米軍に射殺されるという事件まで伝えられています。現在もなお、ファルージャを始めとするイラクの様々な地域で、米軍の「テロ掃討作戦」と称する、拉致や虐殺が行われています。自衛隊の派兵は、現実には、このような米軍の占領を正当化しています。
戦争、暴力、貧困、抑圧などから解放された平和な社会づくりをめざす中部地域のNGOのネットワークである特定非営利活動法人・名古屋NGOセンターは、イラクから自衛隊が即時完全撤退するよう強く求めます。
2004年4月13日
特定非営利活動法人・名古屋NGOセンター
理事長 山下政一
事務所:〒450-0003名古屋市中村区名駅南1-20-11
NPOプラザなごや3F北
TEL/FAX:052-588-3680
E-mail:ngoinfo@sf21.gr.jp