イラクの日本人3人はまだ解放されたわけではありません。
それどころか、川口外相の「今も、多額の資金と人員をもってイラ
クの復興に取り組んでいます。我が国の自衛隊もこのために派遣さ
れているのです。」などという無責任な発言によって、拉致グルー
プは態度を硬化させているとの情報も入っています。
すべてのマスコミの方々へ
みなさんは、イラクに派遣された自衛官の安全を最優先するため、
政府と協定を結びましたね。その配慮は、当然民間人に対してはさ
らに考慮されなければなりません。
拉致グループがいったん解放声明を出したのは、日本だけでなく世
界中の市民がまさに不眠不休で体をはって、拉致グループとの交渉
に努力した結果です。
その間政府は無為無策で、ただ相手の態度を硬化させていただけで
した。
また、被害者家族は一致して、血の出るような思いで、首相に自衛
隊の撤退を求めています。被害者や家族は、自己保身しか考えない
政治家より、よほど現実を見ています。
しかし、今日のほとんどの報道は、そうした家族の要望や、解放声
明にいたった事実を伝えず、自衛隊を撤退させないのはやはり正し
い、テロリストには屈しない、などと言う評論ばかりが流されてい
ます。
そうした報道は、すぐさまイラクへも伝わります。一部のメディア
が行った厳密さを欠くアンケート調査結果もすでに英訳されて世界
中に配信されています。それらが、まだ正体もわからない拉致グ
ループの判断に好ましくない影響を与えることくらい、報道のプロ
ならなぜ、気づかないのでしょうか。
すべてのマスコミの方々へ
3人の命は再び危険にさらされています。
私達市民が必死で築いた信頼関係を壊さないでください。
何より、3人の安全を第一に考えた報道にいますぐ切り替えてくだ
さい。もう一刻の猶予もないのです。
報道人として、人間として誠意のある報道をしてください。お願い
します。